識別ガイド 18種

ペンギンの見分け方

世界のペンギンは全18種。日本の動物園・水族館ではそのうち11種以上に会える、世界でも指折りのペンギン飼育大国です。このガイドでは日本にいない7種も含めた全18種を、大きさ・頭の飾り羽・胸の帯・顔の模様の4点で見分けます。さらに「キングとエンペラー」「フンボルト・ケープ・マゼラン・ガラパゴス」など、そっくりな種どうしの判別も下にまとめました。

見分け方の手順

4手順

  1. まず大きさで絞る

    最大のコウテイペンギン(約120cm)から最小のコガタペンギン(約40cm)まで幅がある。首もとにオレンジ色の斑があって大きければ、コウテイかキング。

  2. 頭部の飾り羽を見る

    目の上に黄色い飾り羽があれば冠羽(イワトビ・マカロニ)の仲間。額の中央から左右に広がる密な房ならマカロニ、眉のように伸びればイワトビ。

  3. 胸の黒い帯を数える

    胸に黒い帯が1本ならフンボルトかケープ、2本ならマゼラン。くちばし基部のピンク色の裸出部が広ければケープ。

  4. 顔の模様で仕上げる

    アゴヒモ属は顔で見分ける。目の上の白い帯=ジェンツー、頭が真っ黒でアイリングだけ=アデリー、あご下の細い黒線=ヒゲ。

大型グループ(首もとがオレンジ)

2種

エンペラーペンギン
写真: Ian Duffy from UK / CC BY 2.0 / 出典 / トリミング表示

識別標本 emperor-penguin

エンペラーペンギンえんぺらーぺんぎん

Aptenodytes forsteriEN絶滅危惧IB類

全長
約100〜130cm
見分けの決め手
現生最大。首もとの淡いオレンジ斑が背中側とつながり、境目がぼやける。厳冬の南極で繁殖する唯一のペンギン。
おもな生息域
南極大陸
キングペンギン
写真: Liam Quinn from Canada / CC BY-SA 2.0 / 出典 / トリミング表示

識別標本 king-penguin

キングペンギンきんぐぺんぎん

Aptenodytes patagonicusLC軽度懸念

全長
約85〜95cm
見分けの決め手
コウテイに次ぐ大きさ。耳のオレンジ斑が鮮やかで涙のような形、くちばし下部のオレンジも濃く境目がはっきりする。
おもな生息域
亜南極の島々

アゴヒモ属(顔の模様で見分ける)

3種

ジェンツーペンギン
写真: W. Bulach / CC BY-SA 4.0 / 出典 / トリミング表示

識別標本 gentoo-penguin

ジェンツーペンギンじぇんつーぺんぎん

Pygoscelis papuaLC軽度懸念

全長
約75〜90cm
見分けの決め手
目の上から後頭部にかけての白い帯と、鮮やかなオレンジ色のくちばし。泳ぐ速さは鳥類最速級。
おもな生息域
南極半島・亜南極
アデリーペンギン
写真: Nanosmile = Reinhard Jahn, Mannheim / CC BY-SA 2.0 de / 出典 / トリミング表示

識別標本 adelie-penguin

アデリーペンギンあでりーぺんぎん

Pygoscelis adeliaeLC軽度懸念

全長
約70cm
見分けの決め手
頭部全体が黒く、白いアイリング以外に模様がないシンプルな顔立ち。南極を代表するペンギン。
おもな生息域
南極大陸沿岸
ヒゲペンギン
写真: Christopher Michel / CC BY 2.0 / 出典 / トリミング表示

識別標本 chinstrap-penguin

ヒゲペンギンひげぺんぎん

Pygoscelis antarcticusLC軽度懸念

全長
約70cm
見分けの決め手
あご下を横切る細い黒線がヘルメットのあごひものよう。最も見分けやすいペンギンの一つ。
おもな生息域
南極半島周辺

バンド属(胸の黒い帯で見分ける)

4種

フンボルトペンギン
写真: Christian Ursilva from København, Danmark / CC BY-SA 4.0 / 出典 / トリミング表示

識別標本 humboldt-penguin

フンボルトペンギンふんぼるとぺんぎん

Spheniscus humboldtiVU危急種

全長
約65cm
見分けの決め手
胸の黒い帯は1本。くちばし基部にピンク色の裸出部。日本で最も多く飼育される。
おもな生息域
南米チリ・ペルー沿岸
ケープペンギン(アフリカペンギン)
写真: Diego Delso / CC BY-SA 4.0 / 出典 / トリミング表示

識別標本 african-penguin

ケープペンギン(アフリカペンギン)けーぷぺんぎん

Spheniscus demersusCR絶滅危惧IA類

全長
約60〜70cm
見分けの決め手
胸の帯は1本だが、目の上のピンク色の裸出部がフンボルトより広い。鳴き声がロバに似る。
おもな生息域
南アフリカ沿岸
マゼランペンギン
写真: Mcatan (Wikimedia Commons) / CC BY-SA 3.0 / 出典 / トリミング表示

識別標本 magellanic-penguin

マゼランペンギンまぜらんぺんぎん

Spheniscus magellanicusLC軽度懸念

全長
約70cm
見分けの決め手
胸に黒い帯が2本あるのが決め手。1本のフンボルト・ケープと確実に見分けられる。
おもな生息域
南米南部沿岸
ガラパゴスペンギン
写真: Charles J. Sharp / CC BY-SA 3.0 / 出典 / トリミング表示

識別標本 galapagos-penguin

ガラパゴスペンギンがらぱごすぺんぎん

Spheniscus mendiculusEN絶滅危惧IB類

全長
約50cm
見分けの決め手
バンド属で最小。胸の帯は細く、目からあごへ細い白線が回る。赤道を越えて生息する唯一のペンギン。
おもな生息域
ガラパゴス諸島

冠羽グループ(黄色い飾り羽)

7種

ミナミイワトビペンギン
写真: Samuel Blanc / CC BY-SA 3.0 / 出典 / トリミング表示

識別標本 southern-rockhopper-penguin

ミナミイワトビペンギンみなみいわとびぺんぎん

Eudyptes chrysocomeVU危急種

全長
約50cm
見分けの決め手
目の上に黄色い眉のような飾り羽と赤い目。岩場を跳ねて移動する。
おもな生息域
亜南極の岩場
マカロニペンギン
写真: Jerzy Strzelecki / CC BY 3.0 / 出典 / トリミング表示

識別標本 macaroni-penguin

マカロニペンギンまかろにぺんぎん

Eudyptes chrysolophusVU危急種

全長
約70cm
見分けの決め手
額の中央から左右に広がるオレンジ色の房状の飾り羽。イワトビより飾り羽が密で豪華。
おもな生息域
亜南極
キタイワトビペンギン
写真: Antoine Lamielle / CC BY-SA 4.0 / 出典 / トリミング表示

識別標本 northern-rockhopper-penguin

キタイワトビペンギンきたいわとびぺんぎん

Eudyptes moseleyiEN絶滅危惧IB類

全長
約55cm
見分けの決め手
ミナミイワトビより眉の飾り羽が長く豪華で、喉の黒白境界より下まで垂れる。
おもな生息域
トリスタン・ダ・クーニャ〜アムステルダム島
フィヨルドランドペンギン
写真: travelwayoflife / CC BY-SA 2.0 / 出典 / トリミング表示

識別標本 fiordland-penguin

フィヨルドランドペンギンふぃよるどらんどぺんぎん

Eudyptes pachyrhynchusNT準絶滅危惧

全長
約55cm
見分けの決め手
黄色い眉の飾り羽と頬の白い筋。くちばし基部に裸出した皮膚がない(スネアーズとの違い)。
おもな生息域
ニュージーランド南西部の森林沿岸

会える施設

日本では会えません(海外の生息地に分布)。

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スネアーズペンギン
写真: Lin Padgham / CC BY 2.0 / 出典 / トリミング表示

識別標本 snares-penguin

スネアーズペンギンすねあーずぺんぎん

Eudyptes robustusVU危急種

全長
約55cm
見分けの決め手
フィヨルドランドに似るが、太いくちばしの基部にピンクの裸出皮膚があり、頬に白筋がない。
おもな生息域
スネアーズ諸島(ニュージーランド亜南極)

会える施設

日本では会えません(海外の生息地に分布)。

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シュレーターペンギン
写真: C00ch / CC BY-SA 4.0 / 出典 / トリミング表示

識別標本 erect-crested-penguin

シュレーターペンギンしゅれーたーぺんぎん

Eudyptes sclateriEN絶滅危惧IB類

全長
約60〜70cm
見分けの決め手
黄色い眉の飾り羽を上向きに直立させられる唯一のペンギン。冠羽ペンギン最大。
おもな生息域
バウンティ・アンティポデス諸島
ロイヤルペンギン
写真: M. Murphy / Public domain / 出典 / トリミング表示

識別標本 royal-penguin

ロイヤルペンギンろいやるぺんぎん

Eudyptes schlegeliLC軽度懸念

全長
約65〜75cm
見分けの決め手
マカロニによく似るが、顔とあごが白〜淡灰色(マカロニは黒)。
おもな生息域
マッコーリー島(固有)

会える施設

日本では会えません(海外の生息地に分布)。

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目のまわりが黄色い・冠羽なし

1種

キガシラペンギン
写真: Christian Mehlführer / CC BY 2.5 / 出典 / トリミング表示

識別標本 yellow-eyed-penguin

キガシラペンギンきがしらぺんぎん

Megadyptes antipodesEN絶滅危惧IB類

全長
約65〜75cm
見分けの決め手
目のまわりから後頭部を淡黄色の帯が取り巻き、虹彩も黄色い。冠羽はない。
おもな生息域
ニュージーランド南島・亜南極の島々

会える施設

日本では会えません(海外の生息地に分布)。

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最小グループ

1種

コガタペンギン
写真: JJ Harrison / CC BY-SA 3.0 / 出典 / トリミング表示

識別標本 little-penguin

コガタペンギンこがたぺんぎん

Eudyptula minorLC軽度懸念

全長
約40cm
見分けの決め手
現生最小。背が青みがかった灰色で「フェアリーペンギン」とも。夜に上陸する。
おもな生息域
オーストラリア南部・NZ

そっくり種の見分け

5組

キング と エンペラー

首もとのオレンジ斑で見分ける2大ペンギン。慣れれば大きさと斑の輪郭で一目。

項目キングペンギンエンペラーペンギン
大きさ 約85〜95cm 約100〜130cm(現生最大)
耳のオレンジ斑 鮮やかな橙色で涙(コンマ)型。輪郭がくっきり 淡い橙色で境目がぼやけ、首の後ろで背中側とつながる
くちばし横のオレンジ 濃く鮮やかな橙 淡いピンク〜藤色
繁殖地とヒナ 亜南極の島。ヒナは全身こげ茶の綿羽(かつて別種と誤認) 南極大陸の氷上で厳冬に繁殖。ヒナは顔まわりが白い

フンボルト・ケープ・マゼラン・ガラパゴス

胸の黒い帯と顔のピンクの地肌(裸出部)で見分けるバンド属の4種。

項目フンボルトペンギンケープペンギン(アフリカペンギン)マゼランペンギンガラパゴスペンギン
胸の黒い帯 1本(太め) 1本(細め) 2本(これが決め手) 1本(細く不明瞭)
顔のピンクの裸出 くちばし基部に広いピンク 目の上のピンク腺が広く目立つ 裸出は狭い 目からあごへ細い白線が回る
大きさ 約65cm 約60〜70cm 約70cm 約50cm(最小・赤道直下)
生息域 チリ・ペルー沿岸 南アフリカ沿岸 南米南部沿岸 ガラパゴス諸島(唯一赤道を越える)

フィヨルドランド・スネアーズ・シュレーター

よく似た3種の冠羽ペンギン。頬の白筋・裸出・飾り羽の向きで見分ける。

項目フィヨルドランドペンギンスネアーズペンギンシュレーターペンギン
頬の白い筋 頬に白い筋がある 頬に白筋はない 頬に白筋はない
くちばし基部の裸出 ほぼ目立たない 基部にピンクの裸出皮膚がある 基部に淡い裸出
眉の飾り羽 眉から後方へ垂れる 眉から後方へ垂れる 飾り羽が上向きに直立する(名の由来)
生息域 NZ南西部の森林沿岸 スネアーズ諸島(NZ亜南極) バウンティ・アンティポデス諸島

おとなとヒナ

6種

エンペラーペンギン

おとな
エンペラーペンギン(おとな)
写真: Ian Duffy from UK / CC BY 2.0 / 出典 / トリミング表示
ヒナ
エンペラーペンギン(ヒナ)
写真: Brocken Inaglory / CC BY-SA 4.0 / 出典 / トリミング表示

親と並んだ淡い銀灰色の綿羽のヒナ。頭は黒く頬が白い。黒い背と首もとの黄橙が目立つ成鳥とはまるで別の姿。

キングペンギン

おとな
キングペンギン(おとな)
写真: Liam Quinn from Canada / CC BY-SA 2.0 / 出典 / トリミング表示
ヒナ
キングペンギン(ヒナ)
写真: B.navez / CC BY-SA 3.0 / 出典 / トリミング表示

全身がこげ茶のふさふさの綿羽に包まれた「オーカムボーイ」。かつて別種と間違われたほど成鳥と違う(写真は成鳥羽へ換羽中)。

ジェンツーペンギン

おとな
ジェンツーペンギン(おとな)
写真: W. Bulach / CC BY-SA 4.0 / 出典 / トリミング表示
ヒナ
ジェンツーペンギン(ヒナ)
写真: dfaulder / CC BY 2.0 / 出典 / トリミング表示

灰白色の綿羽におおわれたヒナ。成鳥の目印である目の上の白い帯とオレンジのくちばしはまだ出ていない。

アデリーペンギン

おとな
アデリーペンギン(おとな)
写真: Nanosmile = Reinhard Jahn, Mannheim / CC BY-SA 2.0 de / 出典 / トリミング表示
ヒナ
アデリーペンギン(ヒナ)
写真: Liam Quinn / CC BY-SA 2.0 / 出典 / トリミング表示

灰色〜黒褐色の綿羽で、頭はより濃い。成鳥の白いアイリングと光沢のある黒白模様はまだない。

フンボルトペンギン

おとな
フンボルトペンギン(おとな)
写真: Christian Ursilva from København, Danmark / CC BY-SA 4.0 / 出典 / トリミング表示
ヒナ
フンボルトペンギン(ヒナ)
写真: eileenmak / CC BY 2.0 / 出典 / トリミング表示

灰褐色の綿羽におおわれ、胸の黒い帯も顔のピンクもまだない、のっぺりと地味な姿。

ミナミイワトビペンギン

おとな
ミナミイワトビペンギン(おとな)
写真: Samuel Blanc / CC BY-SA 3.0 / 出典 / トリミング表示
ヒナ
ミナミイワトビペンギン(ヒナ)
写真: Liam Quinn / CC BY-SA 2.0 / 出典 / トリミング表示

灰色の綿羽のヒナ。最大の目印である黄色い飾り羽も赤い目もまだなく、頭は無地の灰色。

出典

ガイド本文: ja.wikipedia.org en.wikipedia.org / 写真: 各カードのCommons出典リンクを参照。